パスワード解析のルール
パスワード解析のルールは、単語リストの候補を変形するための指定です。大文字化、数字や記号の追加、文字の置換などを組み合わせて候補を増やします。Windows / AD では、取得した NetNTLMv2 応答や Kerberos 関連の値をオフラインで解析するときに使います。
password -> Passwordpassword -> password1password -> password!summer -> Summer2026!代表的な対象
Section titled “代表的な対象”| 対象 | hashcat mode 例 | 備考 |
|---|---|---|
| NetNTLMv2 | 5600 | Responder などで取得する challenge-response。 |
| Kerberoast RC4 TGS-REP | 13100 | SPN 付き account の service ticket を offline cracking する。 |
| Kerberoast AES TGS-REP | 19600 / 19700 | AES etype の Kerberoast。 |
| AS-REP roast | 18200 | Kerberos pre-auth 不要 account が対象。 |
mode は tool のバージョンで表示名が変わることがあるため、実行時は hashcat --help で確認します。
ルールを使う場面
Section titled “ルールを使う場面”rule が効きやすいのは、人間が作った password によくある変形です。
- 先頭大文字化:
summer->Summer - 年や数字の追加:
Summer->Summer2026 - 記号の追加:
Summer2026->Summer2026! - leetspeak 変換:
password->p@ssw0rd
一方、gMSA や通常の domain-joined computer account の password は長いランダム値で管理されるため、wordlist + rule で割る対象ではありません。gMSA は「割る」よりも、許可された principal として managed password を取得できるかが論点になります。
hashcat と John the Ripper のルールの違い
Section titled “hashcat と John the Ripper のルールの違い”best64.rule などは John the Ripper 由来の有名な rule set です。hashcat でも使えることがありますが、rule の方言が完全に同じではないため、対応していない行が skip されることがあります。
hashcat -m <mode> hashes.txt wordlist.txt -r rules/best64.rulehashcat -m <mode> hashes.txt --show重要なのは、候補として画面に表示された文字列を cracked password と誤解しないことです。進捗表示や現在処理中の candidate に Muffin のような単語が出ても、それは成功結果とは限りません。
成功確認は次で行います。
hashcat --showで hash と password の対応が出るか。- status の
Recoveredが増えているか。 - potfile に結果が保存されているか。
- 取得した credential で実際に認証できるか。
運用上の読み方
Section titled “運用上の読み方”- Kerberoast が取れたことと、password が割れることは別問題。
- rule は候補空間を広げるため、実行時間と GPU 負荷が増える。
- service account は gMSA や長くランダムな password に寄せると、offline cracking の現実性を下げられる。
- RC4 を無効化し AES を優先しても、弱い password なら offline cracking のリスクは残る。

